自己免疫疾患を発症しやすい体質にしたEAE誘発物質

前の記事で、アレルギー体質になるのを抑制する「Mina遺伝子」が発見された(2009年)事をご紹介しましたが、自己免疫疾患では、発症を抑制する「TRAF5」と言う細胞内タンパク質が、2014年に発見されたようです。

免疫細胞が過剰に反応して発症する免疫疾患には以下の3つの種類があるようです。
 (1) マクロファージ主体の炎症性疾患 キラーT細胞の活性化
 (2) 好酸球主体のアレルギー IgEの産生
 (3) 好中球主体の炎症性疾患 自己免疫疾患
前回の「Mina遺伝子」は、(2)のアレルギーを抑制していますが、今回の「TRAF5」は(3)の自己免疫疾患を抑制しているようです。

免疫病の発症を抑制する細胞内タンパク質を発見 TRAF5
https://www.immunol.med.tohoku.ac.jp/TRAF5.pdf

(転載開始)

アレルギーや自己免疫疾患が発症する過程において、ヘルパーT 細胞と呼ばれるリンパ球が活性化され、これらの病気の引き金が引かれます。このたび、東北大学大学院医学系研究科免疫学分野の宗孝紀准教授、石井直人教授の研究グループは、米国ラホヤ研究所との共同研究により、免疫病を引き起こす炎症性リンパ球の活動をTRAF5 という細胞内タンパク質が防止することを発見しました。この発見によって、多発性硬化症や関節リウマチなどの様々な自己免疫疾患や炎症性疾患を改善する新たな薬剤や、新しい治療法の開発が期待されます。

(転載終了)

もしかしたら、Mina同様、「TRAF5」の働きもワクチンによって阻害されているかもしれません。さっそく、この「TRAF5」に結びついたアレルギーを探索してみると、「Mina」同様、様々なアレルゲンと結びついたアレルギーがみつかりました。どうも、通常のアレルギー同様、自己免疫疾患についても、私たちは、ワクチンによって発症しやすい体質になっていたようです。

それでは、この「TRAF5」がアレルギーを作るきっかけは何だったのか、結びついたアレルゲンを探索してみました。その結果、EAE誘発物質の中の「MOG(ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質)」に強く結びついているのが見つかりました。以前の記事で、『とくに「百日咳毒素+FCA+MOG」」に結びついた遺伝子グループの多さと多様さに驚かされます。』と書きましたが、「MOG」が「TRAF5」と強く結びついていた事と重ね合わせると合点がいきます。

「MOG」に結びついたアレルギーを除去した後に、MOGの前に使われて来た、「MBP(ミエリン塩基性蛋白)」と「PLP(プロテオリピッド蛋白)」が結びついたアレルギーが表に出て来ました。MOGよりは弱いとは言え、MBPとPLPにも、私たちが自己免疫疾患を発症しやすくする働きがあった事がわかりました。

EAEの報告が世の中に発表されたのが1933年。
BCGの接種(法的な規定なし)が始まったのが1938年。
予防接種法(義務接種、罰則あり)により12疾患の接種が始まったのが1948年。

当初は、MBP(ミエリン塩基性蛋白)が使われていたものが、後に、MOG(ミエリンオリゴデンドロサイト糖タンパク質)に切り替わって来たとの事ですが、いつ頃からMOGになってきたかははっきりしません。
ただ、私は母親からMOGに結びついたアレルギーを引き継いでいますので、少なくとも私の生まれた1955年よりは前と考えられます。と言う事は、戦後間もない時期に、私たちはワクチンによって、アレルギー疾患や、自己免疫疾患を発症しやすい体質に変わってしまっていたのです。

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