除草剤が引き起こす神経原線維変化

■2014/12/02 除草剤が引き起こす神経原線維変化
7歳の男の子で、アルツハイマー型認知症の病態の一つである「神経原線維変化」の兆候が見られた方がおられました。しかし、「神経原線維変化」は以下のようにアミロイドβが沈着した後に出てくる病態で、通常は40歳代以降に出てくるのが一般的のようです。それが、7歳の男の子に見られると言うのは何か変です。実は、このお子様のお母さまが妊娠初期に「除草剤」を吸い込んでしまったと言う事を心配しておられたので、調べてみたところ、この除草剤が「神経原線維変化」に関わっていました。

脳は人の身体で最も大切な臓器ですので、外から有害な毒素が入ってこないように「血液脳関門」がブロックしています。その「血液脳関門」は、脳毛細血管内皮細胞の「ABC輸送体ファミリー」が脳の中から有害な毒素をポンプで汲み出す事で実現しています。ところが、この「ABC輸送体ファミリー」にアレルギーがあると、ポンプが働くなって、脳の中に有害な毒素が留まってしまいます。具体的には、この7歳の男の子に以下の組み合わせのアレルギーがありました。

 脳毛細血管内皮細胞、ABC輸送体、P-糖タンパク質、グルタミン酸輸送体、ノルエピネフリン輸送体、タウ蛋白質、除草剤、(交感神経節セット)

「神経原線維変化」は、「タウ蛋白質」の変性が原因と考えられていますが、このアレルギーによって、変性したタウ蛋白質が脳の外に排出されなくなります。その為に、変性したタウ蛋白質が凝集して、「神経原線維変化」が発現したのだろうと思います。このアレルギーが生まれたのは、おそらくお母さんが「除草剤」を吸った時で、元々はお母さんのアレルギーだったものが、そのままこのお子様に引き継がれたのだと思います。ですので、この男の子は生まれた時から、脳内に変性した「タウ蛋白質」を蓄積してきた事になります。早く分かって良かったですね。

アルツハイマー病、発症まで20~30年
https://apital.asahi.com/article/kasama/2013032600015.html

認知症の発症は、

    アミロイドβ前駆体タンパク(APP)
     ↓
    アミロイドβタンパク産生
     ↓
    アミロイドβタンパク(Aβ)が凝集し、アミロイドβオリゴマーと呼ばれる毒性の強い浮遊する凝集塊となる
     ↓
 40代  アミロイドβの沈着(老人斑) 
 以降   ↓
 ↑  神経原線維変化
20~30  ↓
 年  神経細胞減少
 ↓   ↓
    認知症発症

という機序で起こると考えられています。
アミロイドβの沈着は40歳代以降に始まっており、ADを発症するまでには20~30年の歳月を要することが分かっております。

今回の男の子のようなケースは、もしかしたら結構多いかも知れません。現に、現在セラピーを受けている他のご家族でも、2家族が該当しました。いずれも、お母さまが除草剤を吸って生まれたアレルギーを、そのまま子供に引き継いだ形です。同じようなお子様は、ほっておいたら、たぶん「若年性アルツハイマー」になってしまうかもしれません。なんとかしたいものです。



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