ABC輸送体はアレルギー発症の元栓

■2014/11/27 ABC輸送体はアレルギー発症の元栓
「お血」の原因を調べてゆく中で、ABC輸送体(ATP結合カセット輸送体)の存在を知りました。ABC輸送体は分子量の小さな物質を通過させる膜タンパク質であり、生体における異物排出の中心的役割を担っています。現在、約250種が見つかっているABC輸送体ファミリーの中でも、「P-糖タンパク質」は、毒性分子から細胞を守っている最も一般的な分子ポンプです。P-糖タンパク質は、①血液脳関門を形成する内皮細胞の血液側、②肝実質細胞の胆汁側、③腎尿細管上皮細胞の尿側、④小腸上皮細胞の管腔側に出現しています。


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当初、P-糖タンパク質は肝臓での解毒機能を支えるものと考えていましたが、上記のように、肝臓ばかりでなく、脳や腎臓、小腸などの解毒機能にも関わっているようです。P-糖タンパク質は、脳においては、脳細胞から脂溶性の有害物をを脳血管内に排出する働きを担い、肝臓と腎臓においては、血液中の脂溶性の有害物を、胆汁及び尿の中に排出する働きを担っています。また、小腸においては、食物中に含まれるさまざまな脂溶性の有害物を小腸の膜中で結合し、もう一度消化管中に押し戻すことによって、有害物が大量に体内に吸収されるのを防いでいるようです。

さて、このP-糖タンパク質にアレルギーがあると脂溶性の有害物の排出機能が阻害されますので、脳においては脳細胞に脂溶性の有害物が蓄積し、身体では最優先に恒常性が維持されるべき「血液」が脂溶性の有害物であふれる事になります。どうも、このP-糖タンパク質に結びついたアレルギーは、様々な慢性性病発症のトリガーになっていると考えられます。以下に、それぞれの臓器でどんなアレルギーが見つかっているのか、具体的にご紹介して行きたいと思います。


①脳(血液脳関門)
1980年、レビンによって唱えられた「分子量が500を超えると脳に入らない」という、いわゆる「分子ふるい説」は長いこと広く信じられて来ました。しかし、その後の研究により、1994年雑誌Cellに、P-糖タンパク質が毒性物質を排除する血液脳関門機能を持っている、と発表された事を契機に、P-糖タンパク質が血液脳関門機能を果たしていると信じられるようになりました。(ただ、まだ世間一般の常識にはなっていないようです。)つまり、脳血管から様々な輸送体を介して脳細胞の中に入って来た物質の中で、脂溶性の有害物は、P-糖タンパク質によって再び脳血管の中に戻される事によって、脂溶性の有害物を脳の中に入れないと言うフィルターの機能を実現していたのです。

この発見は、人類にとって大きな福音になると思っています。と言うのも、現在、治療が難しいとされている脳の病気の多くが、脳の中に異常蛋白質が凝集し蓄積する事で発症しているからです。

代表的な異常蓄積蛋白
https://www.pathologycenter.jp/disease/protein/protein1.html

脳の中に凝集して蓄積している異常蛋白としては、主なもので以下の通りです。
 ・アミロイドβ
 ・タウ蛋白質
 ・αシヌクレイン
 ・ポリグルタミン
 ・TDP-43
昔信じられていた「分子ふるい説」では、分子量が500を超えると血液脳関門を通らないので脳から排出できないと考えられていました。しかし、実際にはP-糖タンパク質が、分子量に関係なく脂溶性の有害物を脳の外に排出していたのです。ですから、P-糖タンパク質が正常に働いていれば、異常蛋白質が脳の中で凝集して蓄積することはないはずです。

ところが、P-糖タンパク質と異常蛋白質物の組み合わせにアレルギーがあると、P-糖タンパク質がその異常蛋白質を排出しなくなります。その結果、異常蛋白質は脳の中で凝集して蓄積する事になるのです。ですから、P-糖タンパク質と異常蛋白質物の組み合わせのアレルギーを減感作してやれば、再び、P-糖タンパク質が異常蛋白質を脳から排出するようになるはずです。

今までに認知症のセラピーをお受けになった方で、P-糖タンパク質と異常蛋白質物の組み合わせのアレルギーを探索したところ、やはり以下のアレルギーが見つかりました。アルツハイマー病などは、発症する20年前からアミロイドβの蓄積が始まっているとの事です。蓄積が始まっているかどうかは、スターライトで簡単に判定ができますので、心配の方は、一度ご相談ください。これらのアレルギーは1回のセラピーで解消する事が出来ます。

○脳毛細血管内皮細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+αシヌクレイン+(交感神経節セット)
○脳毛細血管内皮細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(アミロイドβ、GM1、γセクレターゼ、プレセニリン、ニカストリン)+(交感神経節セット)
○脳毛細血管内皮細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(タウ蛋白質、ポリグルタミン、TDP-43)+(交感神経節セット)


②肝臓
肝臓は、糖や脂質の代謝によりエネルギーの貯留、産生を担うと共に、有害な環境物質や経口的に接取した医薬品などの生体外異物を、代謝して胆汁中に排泄する防御機構の中心を担い、生命活動の維持に要となる働きをしています。肝臓で解毒機能を担う細胞は、ABC輸送体のある肝細胞以外にも、クッパー細胞、単球由来マクロファージ、樹状細胞などがあり、それらが連携して働いています。もしこれらの細胞にアレルギーがあって働きが阻害されると、その結果は即、血液の汚れとして現れ、全身の器官に影響を及ぼします。ある日突然現れる慢性病と言うのは、たぶん肝臓の解毒機能に関わったアレルギーがトリガーになっている事が大いに考えられます。

以下に、慢性病ごとに探索して見つかったアレルギーをご紹介します。これらの慢性病の症状は、1つのアレルギーで発症している訳でなく、多くのアレルギーが複合的に組み合わさっている事がほとんどなのですが、以下のアレルギーがアレルギー症状の、言わば元栓となっていると考えられます。

★花粉症
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(クッパー細胞、マクロファージ、顆粒球)+(花粉、インフルエンザウィルス)+(交感神経節セット)
★アトピー性皮膚炎
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+牛のIGF-1+(12個のホルモン)+(交感神経節セット)
★セリアック病
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(プロラミン、カフェイン)+(交感神経節セット)
★線維筋痛症
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+テトラサイクリン系抗生物質+(交感神経節セット)
★ADD
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+マクロファージ+(インフルエンザウィルス、ノイラミニダーゼ)+コニール+(交感神経節セット)
★うつ
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+マクロファージ+(インフルエンザウィルス、ノイラミニダーゼ)+(不安、きまり悪い、無視、拒絶)+(交感神経節セット)
★自閉症
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+マクロファージ+シオネール+(グリコペプチド系、マクロライド系、ホスホマイシン系抗生物質)+(交感神経節セット)
★シックハウス症候群
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+フォルムアルデヒド+(携帯電話、無線LAN)+(交感神経節セット)
★電磁波過敏症
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+トキソプラズマ原虫+(鉄酸化菌、虫歯菌、金属歯科材料)+(交感神経節セット)
★難聴
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+カルボカイン+ノルアドレナリン+(交感神経節セット)
★過敏性腸症候群
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(マクロファージ、顆粒球、リンパ球)+(ニューキノロン系抗菌剤、テトラサイクリン系抗生物質)+(交感神経節セット)
★慢性疲労症候群
○肝細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(マクロファージ、顆粒球、インフルエンザウィルス、ノイラミニダーゼ)+(サルファ剤、ニューキノロン系抗菌剤、アミノグリコシド系、テトラサイクリン系抗生物質)+(交感神経節セット)


③腎臓
腎臓も、肝臓とともに血液中の有害物質を体外に排出する重要な臓器になります。しかし、肝臓のように個別の慢性病に直結したアレルギーはあまり見つかりませんでした。だからと言って、決して慢性病の発症に関係していないとは言えません。今後、もっと見つかるかもしれません。以下に、個々の慢性病に関わっていると思われるアレルギーをご紹介します。

★白内障
○糸球体+(P-糖タンパク質、リン酸輸送体、有機カチオン・アニオン輸送体、URAT1)+尿素+(交感神経節セット)
★耳に水が貯まる
○糸球体+リン酸輸送体+尿素+リンパ腺+抗利尿ホルモン+(交感神経節セット)
 

④小腸
腸粘膜は、人間が生きていくための栄養素とエネルギー源の入り口です。同時に、身体にとって有害な物質は身体の中に取り込まないバリア機能も果たしています。ところが、最近よく「リーキーガット症候群(LGS)」と言う言葉を聞くようになりました。腸管壁に大きな穴が開いて、バクテリア、毒素、及び、食物が漏れ出す症状だそうです。

LGS(リーキーガット症候群)について
https://www.nutweb.sakura.ne.jp/iframe/03_ippan/03lgs/lgs.html

説明によると、
「通常、腸粘膜の上皮組織から正常に吸収される物質の分子の大きさは500ダルトン(炭素原子1個の質量が12ダルトン) でこの大きさまでは腸管の微絨毛表皮膜を通過することができます。しかし、LGSによって粘膜に穴があくと、この10倍の5000ダルトンもの食物や化学物質の塊が血液中に流れ込みます。これが、食物アレルギーなどの増加の原因とも考えられています。」との事ですが、「粘膜に穴があく」と言う表現に違和感を感じていました。

腸粘膜における「バリア機能」も、前述の「脳血液関門」と同じく、P-糖タンパク質の働きによって実現していると考えた方が納得がいきます。つまり、P-糖タンパク質が食物中に含まれるさまざまな脂溶性の有害物を小腸の膜中で結合し、もう一度消化管中に押し戻すことによって、有害物が大量に体内に吸収されるのを防いでいるのです。具体的にアレルギーを探索してみると、アトピーをお持ちのほとんどの方に、以下のアレルギーが見つかりました。

○小腸上皮細胞+(ABC輸送体、P-糖タンパク質)+(卵白、カゼイン、プロラミン)+(交感神経節セット)

このアレルギーによって、(卵白、カゼイン、プロラミン=グルテン)と言う、食物アレルギーの代表的なアレルゲンが、血液の中に大量に流れ込んでいると考えられます。「リーキーガット症候群」と言う言葉は日本ではまだ耳慣れない感じですが、アメリカではアレルギーなどの栄養学的研究から、その原因の体質を突き止め、体質改善による対処方法が確立されているそうです。その中心は、サプリメントになるようですが、なにも高いサプリメントを継続して飲む必要などありません。たった1分、このアレルギーを減感作するだけで解消できてしまうのですから。


■ある日突然アレルギーが発症する理由

花粉症などのアレルギー症状が、ある日突然に発症する事を説明するのに、「コップ」を使ったものがあります。「誰の身体の中にも、アレルギーのコップがあって、このアレルギーのコップがまだ一杯でないうちは何も症状が出ないが、一杯になってあふれ出ると同時にアレルギーが発症する。子供の頃のアレルギーが大人になると治まるのは、成長に伴ってこのコップが大きくなってあふれ出なくなったからだ。」と言うものです。それはそれである程度納得なのですが、コップよりも「バスタブ」の方がイメージにあうと言うサイトがありました。

化学物質過敏症とシックハウス症候群の原因や対策を考えるサイトです。
https://www.mcs.7pot.net/about_who.html


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アレルゲンは外部から入ってくると同時に排出もしているので、排出するより入ってくるのが多ければやがてあふれる事になります。ですから、できるだけ排出量を多くすると言うのが、アレルギーを発症しない為の対策になるわけです。アレルゲンの排出は、今回見て来た「ABC輸送体」が担っています。もしABC輸送体にアレルギーが生まれると、バスタブの排出口は狭くなり、水位が上がりやがて溢れ出ることでしょう。

ですから、アレルギー発症のトリガーになるのは、間違いなくABC輸送体にアレルギーが生まれる事であり、逆に、アレルギー解消の為には、ABC輸送体のアレルギーの減感作がトリガーになるはずです。言うなれば、ABC輸送体がアレルギー発症の元栓になっていると言う事ができます。



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